コミフォラ・カタフは、アフリカ東部からアラビア半島にかけて自生するカンラン科の低木で、独特の幹肌と芳香を放つ樹脂で知られています。古くから“ミルラ(没薬)”の原料植物のひとつとして利用されており、歴史的にも文化的にも価値の高い種です。
株元は太く肥大し、コーデックス植物としての性質を持ちます。幹の表皮は不規則に剥がれ落ち、樹皮の下からは白~灰緑色の滑らかな肌が現れ、美しいコントラストを形成します。この特徴的な幹姿と、乾いた土地でも自生する強健さから、観賞用としても非常に人気があります。
葉は小型で羽状複葉を形成し、暑さと乾燥に強い性質を持ちます。落葉性であり、乾季には地上部の葉を落として休眠します。樹脂は傷をつけることで得られ、強い香りを放つことから、香料や薬用、宗教儀式など幅広い用途に利用されてきました。
国内での流通はそれほど多くありませんが、その歴史的背景と独特な外観から、コレクターズプラントとして根強い人気を誇ります。